寺山餅店


藩政時代から、城下町で親しまれ続ける故郷の餅。
「寺山餅店」は城下町として栄えた「こみせ通り」がある黒石市中町にあります。創業は文政七年、江戸時代末期・初代寺山久左エ門によって開業され、長い間の歴史と伝統をもつ餅店です。古くは、1851年(嘉永四年)、黒石藩より「まんじゅう50個」の注文があったという記録が残っており、商人町で餅の製造・小売りの商いをしてきました。


寺山餅店の餅づくりの技術は、一子相伝で代々長男に受け継がれ、伝統の味が守られてきました。
この"一子相伝"の餅づくりの技術は正式な文章やレシピはなく、その日の温度など、さまざまな状況に応じて作り方が変わってくるので、伝統の作り方を受け継がれた当主自身の手でしか「寺山餅店」の餅は作る事が出来ません。
また、歴代の当主は、店の看板商品を守りつつも、新しい商品づくりや商い方法にも挑戦し続けてこられました。
6代目の当主はきな粉をまぶした青粉餅(あおこもち)を作り、7代目の当主は串餅に力を入れてリヤカーで売り歩き、父となる8代目は、しとぎ餅の他、おはぎ・のり巻き・いなりずし・赤飯など、もち米を使った商品を作りました。
歴代当主それぞれがその時代を生き抜くため、独自の商品や商いの方法を考案し、展開してきたわけです。
それぞれこだわりの試行錯誤を重ねて作られており、『こみせまんじゅう』は、日持ちがするお土産として考えて作られ、『おから大福』は当初、青荷温泉の料理として作ったのがきっかけで、現在は寺山餅店の人気商品として販売しています。『抹茶生くりぃむ大福』は、急速冷凍していつでもおいしく召し上がれるようにと考えられたアイデア商品。県内外からの引き合いも多く寺山餅店の一番の人気商品です。

【九代目当主】寺山 正幸(てらやま・まさゆき)

「寺山餅店」の餅は、まず精米をする事から始まり、皮もあんこもすべて手作りで昔からの伝統の味を今も変わらずお客様に提供しておられます。お客様に美味しいお餅を召し上がって頂けるよう作りたてをお届けしております。寺山餅店自慢の伝統の味を是非一度お楽しみください。