カゴは空です
下山林檎園
標高300mの高地に100年続く下山林檎園。
元自衛官が丹精込めた「山実」のりんご。
青森県大鰐町島田地区は、市街地から離れた山間部にある集落。平地よりも積雪量が多く、急斜面で、朝晩の冷え込みが大きい、人間にもりんごにも決して“やさしい”場所ではありません。しかし、このような環境で育ったりんごは、「山実(やまみ)」と呼ばれ、「身が引き締まって美味しい」と、市場では定評があるのです。
その島田地区に100年以上続くりんご農家、下山林檎園さん。林檎園を引き継ぐ下山雅弘さんは元自衛官。「自衛隊のときに両親に送ってもらったりんごの味が忘れられない。あの味、そして村を守りたい」とUターンを決意しました。
環境面で優位性を持ちながら、さらに「りんごを食べて、とにかくおいしいって言ってほしい。だからどんなことでも頑張れる」と下山さんは、りんごの剪定や育成方法、収穫時期にもこだわりを持っています。時には育成方法で父上とぶつかることもあるそうですが、それも「とにかくおいしいりんごのため」と、その瞳はひたすらに前だけを見つめています。